職場・企業の子ども・子育て支援のための法律のあらまし
~職場のつとめも親のつとめも果たせる働き方のために~
育児・介護休業法による義務
事業主は、従業員から申出があった場合には、以下の休暇等を認めなければならない義務があります。
- 対象者:男女の労働者(日々雇用者を除く)
- 期間雇用者であっても、(育児休業の取得によって雇用の継続が見込まれる)一定の要件を満たす労働者は対象となります。
- また、労使協定によって一定範囲の労働者を対象外とすることができます。
- 下記制度等の利用の申出や利用を理由にした、不利益な取扱いは禁じられています。
- 例:解雇、有期契約労働者の契約更新の停止、退職や正社員から非正規社員への切り替えの強要、降格、減給や賞与の不利益算定、自宅待機命令、不利益な配置の変更など
育児休業:子ども(原則1歳未満=赤ちゃん)を養育するための休業
■取得できる期間
原則として子が1歳に達するまで(両親ともに育児休業を取得する場合は、子が1歳2ヶ月に達するまでの間に1年間)の間、育児休業をすることができます。
また、子が1歳を超えても休業が必要と認められる一定の場合(保育所入所待ち等)には、子が1歳6ヶ月に達するまで、育児休業をすることができます。
●会社の就業規則との関係は? 申請しても認められないこともある?
育児休業は、就業規則への定めの有無にかかわらず取得でき、事業主は、要件を満たした労働者からの申出を拒否することはできません。
●賃金が支払われるかなど、休業中の収入は?
- 「育児休業給付金」(育児休業開始から180日目までは、休業開始前の賃金の67%、それ以降は50%)が雇用保険(国)から支給されます。
- 育児・介護休業法に休業中の賃金保障の定めはありません。「“ノーワーク・ノーペイ”の原則」に基づき育児休業中は無給としても法律上の問題は生じませんが、休業中の待遇や復職後の労働条件などについて就業規則等に定め、周知するよう努めるべきことが法に定められています。
●休業中、健康保険証は使える? いろいろな保険料の支払いは?
- 健康保険証は引き続き使えます。保険料は、健康保険・厚生年金ともに、事業主が保険者への申出をすることによって、休業期間中の労働者負担・事業主負担の双方が免除になります。
- 労災保険・雇用保険については、休業中無給の場合は保険料は発生しません。(有給の場合、その額に保険料率を乗じた額になります)。
●専業主婦(夫)の場合、その夫(妻)は育児休業を取得できる?
妻(夫)が専業主婦(夫)家庭の夫(妻)であっても育児休業を取得することができます。
子どもの看護休暇
小学校入学までの子を養育する労働者は、その事業主に申し出ることにより、小学校就学前の子が1人であれば年に5日まで、2人以上であれば年10日まで、病気・けがをした子の看護のために、休暇を取得することができます。
所定労働時間の短縮措置
事業主は、3歳に満たない子を養育する労働者について、労働者が希望すれば利用できる短時間勤務制度を設けることが義務づけられています。(短時間勤務制度とは、1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置)
また、短時間勤務制度について、労使協定により適用除外とされた労働者に関して、次の措置を講じなければなりません。
- フレックスタイムの制度
- 始業又は就業の時刻を繰り上げ又は繰り下げる制度(時差出勤の制度)
- 労働者の3歳に満たない子に係る保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与
次世代育成支援対策推進法による義務等
常用雇用労働者が100人を超える事業主は、労働者が仕事と子育てを両立させることができるよう、雇用環境を整備し、次世代育成支援対策を実施するための「一般事業主行動計画」を策定し、その旨を(本社所在地の)都道府県労働局に届け出ることが必要です。
また、策定した「一般事業主行動計画」の公表及び従業員への周知が義務化されました。
※常用雇用労働者100人以下の事業主は、努力義務となっています。
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