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パパ絵本専門士が選ぶ「年齢別」おすすめ絵本の紹介

パパ絵本専門士に聞いた読み聞かせのコツ」では絵本専門士・甲斐さんに親子時間をもっと楽しくする「読み聞かせのコツ」を教えていただきました。

読み聞かせに少し自信がついたら、次は絵本選び。とはいえ、「どんな絵本がわが子に合うのか迷ってしまう…」というパパも多いのではないでしょうか?

そこで今回は、甲斐さんおすすめの絵本を年齢別にわかりやすくご紹介。絵本選びのヒントとして、ぜひ参考にしてくださいね。

もくじ

0~1歳向け絵本

この頃の視力はまだ成長段階のため、色合いがはっきりとしていて、絵が大きく描かれている絵本がおすすめです。聞き心地のよいオノマトペが使われている絵本や、親子の触れ合いを楽しめる絵本などは、赤ちゃんでも楽しめます。厚紙で破れにくく、紙で手を切る心配のないボードブックで絵本に親しむのもよいと思います。

じゃあじゃあびりびり

じゃあじゃあびりびり

作・絵:まついのりこ 偕成社

「じゃあじゃあ」「びりびり」など、聞き心地のよいオノマトペがずらり。自動車、犬など日常生活でよく見かけるものが描かれているので、赤ちゃんとのお出かけ時の会話にもつながります。背景と絵のコントラストが大きく、赤ちゃんの視力でも楽しめます。ボードブック仕様で丈夫なので、赤ちゃんに引っ張られたり、投げられたりしてもへっちゃらです。

くっついた

くっついた

作:三浦太郎 こぐま社

「くっついた」という愛らしい言葉、リズムのよい繰り返しが読んでいて心地よい絵本。最後に親子が「くっついた」の場面では、是非親子で頬を寄せ合って。赤ちゃんが絵本の展開を覚えて、「くっついた」を自分からやってくれるようになると、とても幸せな気分になります。

でんしゃくるかな

でんしゃくるかな

作:きくちちき 福音館書店

「くるかな?」「きたー」「ばいばーい」のシンプルな言葉が赤ちゃんにぴったり。自由で躍動感があり、色彩豊かな水彩画は、子どもたちの豊かな感情を覗き見ているよう。赤ちゃんと一緒だと『電車が来る』それだけのことでも幸せな時間になるということに気付かせてくれる絵本です。

1~3歳向け絵本

立って、歩いて、おしゃべりをしてと、心も身体も成長し、できることがどんどん増えていきます。日常生活とのつながりが感じられる絵本や、身体を動かしたり、わらべうたを歌える絵本も一緒に楽しめるようになります。登場人物や話の内容を理解できるようになってくるので、短めの物語絵本も読みたいです。

ぺんぎんたいそう

ぺんぎんたいそう

作:齋藤槙 福音館書店

小さいケープペンギン、大きいキングペンギンと一緒に身体を動かしたくなる絵本です。シンプルな動きで小さな子どもでも真似しやすく、我が子が楽しんで「ぺんぎんたいそう」をしている姿に、胸キュンになるはず。音源・動画もあって、作者の齋藤槙さんと子どもたちが、音楽に合わせて、「ぺんぎんたいそう」をしています。

どんぐり どんぐり

どんぐり どんぐり

作:降矢なな 福音館書店

絵本の世界に入り込み、かあさんりすと一緒に、「みーつけた ひとーつ」「みーつけた ふたーつ」と、どんぐりを探すのが楽しいです。共同注視(親子で同じ絵やページを見る)や指差しができるようになった我が子の成長を感じ、親としての喜びを感じます。秋の美しさを感じられる背景、感情や言葉が伝わってくるようなリスたちの表情など、絵を楽しむことができる一冊です。この絵本をきっかけに、秋には、どんぐり探しに出かけてみるのはいかがでしょう。

ぞうくんのさんぽ

ぞうくんのさんぽ

作・絵:なかのひろたか レタリング:なかのまさたか 福音館書店

短い物語が楽しめるようになる2〜3歳頃、赤ちゃん絵本の次のステップへ。ぞうくんの背中にかばくん、かばくんの背中にわにくん、…積み木を積んでいくようなワクワクドキドキを感じます。ぞうくんたちの愛らしい会話、温もりのあるイラストと淡い色合い、世界感にぴったりなレタリング、心にじんわりと響くような魅力があります。削ぎ落とされたシンプルなストーリーに、美しさを感じる絵本です。

3~5歳向け絵本

友達や親以外の大人との関わりが増えてくる年齢で、絵本の登場人物の心情を考えることができるようになってきます。繰り返しのあるリズムのよい絵本や、起承転結がはっきりとしたストーリー性のある絵本などがおすすめです。読後に登場人物の言動を真似してごっこ遊びをしてみたり、文字は読めなくても文章を覚えてそらんじてみたりと、絵本の世界を心ゆくまで楽しむ姿が見られる時期でもあります。

11ぴきのねこ

11ぴきのねこ

作:馬場のぼる こぐま社

最後のあっと驚く展開が最高に笑える絵本。ダメだとわかっていても我慢ができない人間らしさ、子どもらしさがねこたちの姿に描かれています。仲間と力を合わせることで大きな困難にも立ち向かっていける、そんなことも学びとれます。文章のリズムもよく、ユーモアたっぷり、読んでいても楽しい一冊です。

バムとケロのにちようび

バムとケロのにちようび

作・絵:島田ゆか 文溪堂

しっかり者のバムと、マイペースで自由奔放なケロのやり取りが愉快な一冊。バムとケロに親子の姿を重ねて、我が子との関わりの中に埋もれていた面白さに気付くかもしれません。ケロの作ったドーナッツを探してみたり、ねずみの行方を裏表紙まで追いかけてみたりと、文章には描かれていない絵を読むことも楽しめます。読めば読むほど新たな発見が見つかり、虜になっていきます。

もうぬげない

もうぬげない

作:ヨシタケシンスケ ブロンズ新社

この時期の子ども特有の「じぶんで」に、親の視点から「あるある。」と共感してしまいます。服が脱げないという状況から、壮大な空想を広げていく子どものたくましさにユーモアを感じます。困ったことがあっても大丈夫、あなたは一人じゃない、そんな温かなメッセージを読み取ることもできます。くすりと笑ってしまう裏表紙の展開まで、是非楽しんでください。

5~7歳向け絵本

集中力や理解力が増し、長い物語の絵本や童話も楽しめるようになります。長い童話を何日かに分けて、読み進めるというのもおすすめの楽しみ方です。語り口のリズムがよく、物語の世界を忠実に表現している絵の昔話や民話、科学絵本や図鑑など、色々な種類の本と関わっていきたいです。

こんとあき

こんとあき

作:林明子 福音館書店

絵本の中で、こんとあきと一緒に冒険へ出かけ、最後は安心できる場所へたどり着くことができます。こんとあきに心情を重ねてハラハラドキドキを味わったり、親としては子どもを見守り心配に思う気持ちや、子どもの成長を喜ぶ気持ちを感じたりすることができるでしょう。絵をよく見てみると、チャップリンや不思議の国のアリス、さむがりやのサンタ、ピーターラビットのおはなしのマグレガーさんなどを見つけることができ、遊び心が感じられます。表紙、見返し、裏表紙と絵本をまるまる味わいたい一冊です。

王さまと九人のきょうだい

王さまと九人のきょうだい

訳:君島久子 絵:赤羽末吉 岩波書店

長い物語ですが、物語のテンポのよさ、九人のきょうだいの名前とそれぞれの活躍の仕方の滑稽さで、一気に読んでしまいます。不思議な名前、その伏線が回収されていく爽快感が味わえます。そっくりだと思っていた九人のきょうだい、読み返してみると、産まれた場面では、それぞれの名前と様子から見分けることができます。感情が伝わってくる王さまの表情や、中国の雄大な自然、歴史を感じられるような赤羽末吉さんの絵が、民話の面白さを引き立てているように感じます。

あまがえるのかくれんぼ

あまがえるのかくれんぼ

作:たてのひろし 絵:かわしまはるこ 世界文化社

淡い水彩画で緻密に描かれた3匹のカエルたちに、美しさと愛くるしさを感じます。3匹のカエルたちの成長物語として味わうだけでなく、自然の面白さを知る科学絵本として味わうこともできます。舘野鴻さんのあとがきもじっくり味わってほしいです。親の視点を加えて、また違った読み方ができると思います。

いかがでしたか?絵本専門士の甲斐さんがおすすめする絵本を、年齢別にご紹介しました。お子さんにぴったりの1冊を見つけるヒントになりましたか。ぜひ、これからの親子の絵本の時間を楽しんでくださいね。

親子の時間がもっと楽しくなる、読み聞かせのコツが知りたい方はこちら!

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