バーベキュー(以下、BBQとします)は時代と地域の特性に合わせて多様にスタイルを変化させてきました。なぜなら、いつの時代もBBQは世界の人々にとって大切なコミュニケーション手段だったからです。
2020年、「新しい生活様式」への変化が求められるWithコロナの時代となりました。
パパたちは大好きだったアウトドアでのBBQを我慢することに窮屈さを感じていませんか?でも、会社の会議が対面からWeb会議に変化したように、世界のBBQ愛好家たちはきっと自由な発想で新しいBBQスタイルを生み出して時代に順応して行くことでしょう。
そこで本コーナーでは、Withコロナ時代でも自宅で家族と一緒に楽しめる新しいBBQスタイル「おうちde BBQ」と、そのレシピをご紹介します。
炭火を使わないので煙が出ません。だから、マンション住まいでも庭がなくても楽しめます。特別なBBQ機材がなくても、ホットプレートとオーブンで楽しめるお手軽なBBQです。ぜひパパとお子さんで一緒に作って、家族のコミュニケーションを楽しんでみてください。
横浜BBQ協会のコンテストでグランプリに輝いた作品です。
とは言っても、いつもの焼肉を豆苗とご飯と一緒に韓国海苔で包むだけのお手軽さ。
焼肉とご飯がよく合うことはご想像の通りですが、そこに韓国海苔の風味と豆苗のアクセントが加わることで新感覚のおいしさに様変わりします。手巻き寿司パーティーのように家族でワイワイ楽しみながら食べられるので、食卓を盛り上げてくれる一品です。
子どもはお米を研いだり豆苗を切るなどしてお手伝いできますね。少し大きなお子さんであれば、自分で肉を包んで食べるという楽しみ方もできます。
本格的なBBQメニューでありながら、実はお家でも驚くほどの仕上がりで作れるスペアリブのご紹介です。肉を塊のまま豪快に焼いて、BBQの主役にしましょう。
肉の表面はジャーキーのようにカリカリに焼き上がり、中はとってもホロホロになります。骨を持っただけで肉が落っこちちゃうくらいやわらかくなるので、ご注意を。
BBQの調味料と言えば、日本ではソースが一般的です。
一方で海外では、ハーブやスパイスをミックスしたラブと呼ばれるパウダー状の調味料もよく使われます。最近は日本でも少しずつ普及して来ているので、ネットなどで探せば手に入ります。自分でスパイスをブレンドしてオリジナルラブを作ってみるのも楽しいですよ。ラブが手に入らなければ塩と胡椒でも大丈夫。肉に振りかけてペタペタとすり込むだけなので、小さな子どもでもお手伝いできます。
BBQの最後には、お手伝いしてくれた子どもにデザートBBQを作ってあげましょう。
トロトロに溶けて泡になったマシュマロのお風呂に浸るフルーツをスプーンで贅沢にすくって食べるフルーツバスは、子どもが喜ぶこと間違いなし。その色鮮やかさに、食後の食卓が再び華やかになります。
自宅だからと油断せず、生肉には食中毒を引き起こす菌が付いている可能性があることは忘れないようにしましょう。
生肉を扱った調理器具や手で、焼けた肉や生野菜を触るのはとても危険です。食中毒を引き起こす菌が死滅することなく、場合によってはさらに増殖して、家族の口に入ってしまうことになります。
これを予防するために、包丁、まな板、トングなどの調理器具は生肉用と焼けた肉用で2セット用意して使い分けると良いでしょう。
生肉を触った後の子どもの手にも要注意です。親の目の届かないところで他の食材を触っているかもしれません。
パパも子も生肉を触るときは必ず手袋をして、終わったら外すことを心がけましょう。
このような衛生管理の習慣を付けておくと、屋外でBBQをする時にも参加者を安全におもてなしできるようになります。
アウトドアでのBBQも爽快ですが、「おうちde BBQ」の魅力は何と言ってもそのスマートさにあります。
重たい荷物の運搬や火起こしがいらない上に、天候にも左右されません。エアコンがあるから夏や冬でも快適。水道からお湯が出るから油汚れもきれいに落とせるし、食器洗浄機だって使えるかも。遊び疲れて寝てしまった子どもを抱っこして家路につくようなこともなく、子どもと一緒にお風呂に入り布団で寝てしまっても良いのです。
「おうちde BBQ」とは、グランピングにも引けを取らない新しい生活様式のBBQスタイルなのです。
田形 勇輔(たがた ゆうすけ)さん
妻と娘(4才)の3人家族。
横浜BBQ協会の上級BBQインストラクター(日本BBQ協会認定資格)として、横浜にスマートなBBQ文化を育む活動を展開中。
2019年、自宅で子育て仲間とBBQを楽しむ機会が増えたことをきっかけに、「日本おうちde BBQ協会」を設立。
また、横浜市磯子区の3000人が住む街の自治会長でもあり、本格的なBBQを取り入れた街づくりにも取り組んでいる。