ある調査※によると、10人のうち7~8人の子どもは、3歳までに医療機関の受診が必要なケガを負っています。子どもが事故に遭遇しやすい理由は発達するからです。昨日できなかったことが、今日できるようになって事故に遭うのです。ケガをする月齢、年齢とそのパターンはほぼ決まっています。3歳までの事故は半数以上が家庭内で起こっており、それ以降は家庭外での事故が多くなります。重症を負う事故や発生頻度が高い事故の予防について優先的に取り組む必要があります。自動車に乗るときはチャイルドシート、自転車に乗るときはヘルメットが不可欠です。
深刻な事故が起きたときのために、心肺蘇生法と窒息時の対処法を一度は実習しておくことをおすすめします。
※資料:兵庫県健康環境部(現:健康福祉部)乳幼児事故防止対策マニュアル(1995年)より
NPO法人 Safe Kids Japan (セーフ キッズ ジャパン)
理事長 山中 龍宏 (やまなか たつひろ)
小児科医。緑園こどもクリニック(横浜市泉区)院長。専門は小児の傷害(事故)予防。1985年9月プールの排水口に吸い込まれた中学生を看取ったことから事故予防に取り組み始めた。子どもの事故予防には社会全体が取り組む必要があるという考えのもと、様々な角度から活動を行う。NPO法人Safe Kids Japan理事長も務め、サイトでは多数の子どもの事故事例と予防法を公開。 http://safekidsjapan.org/
赤ちゃんは激しく揺さぶられると、脳が大きなダメージを受けて「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)」となり、重い障がいが残ることや亡くなることがあります。揺さぶるきっかけには「赤ちゃんが泣きやまずイライラして抱っこする」などがあります。こんな時は、赤ちゃんを安全に寝かせて、ちょっと離れて「クールダウン」がおすすめです。
赤ちゃんが泣いて困ったら…≫
乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)を起こさないために(神奈川県のホームページ)
「乳幼児突然死症候群(SIDS)」は、睡眠中の赤ちゃん(原則1歳未満)が突然に亡くなる病気です。窒息でもなく原因不明です。発生率を下げる3つのポイントは「あおむけ寝」「母乳育児」「みんなで禁煙」と言われています。
詳しくは≫
乳幼児突然死症候群(SIDS)について(神奈川県のホームページ)
母子健康手帳の後半部分に、心肺蘇生法のページがあります。ここを読むとともに、実習も受けておきましょう。
また最寄りの消防署や県内の赤十字支部で、救命や応急処置について問い合わせができます。