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かながわ版父子手帳

ほめ方・伝え方

言葉ひとつで子どもの行動は変わる。

普通のことをほめる。

子どもの良い行動をほめることで、良い行動は増え、間接的に問題行動を減らしていくことになります。では、どんなことをほめればいいのでしょう。それは、子どもの「普通の行動」です。例えば、おもちゃを片付ける時に、おもちゃを投げて箱に入れることは問題行動なので、注意します。ではその反対に、ほめる対象となる行動はどのようなものでしょうか。その一つは、「おもちゃを投げずに箱に置いて入れること」です。この、見過ごしがちな、子どもの「普通の行動」を見つけて、すぐにほめられるかどうかがポイントです。

「~してね」と伝える。

子どもを叱る際に、よく使われる言葉、「~しないで(走らないで、大きい声を出さないで、触らないで)」。実は「~しないで」は、何をすればよいかという情報が入っていないため、子どもには伝わりにくいのです。では、どうすればよいか。「~してね」と伝えましょう。何をすればよいかがストレートに伝わります。「歩いてね」、「パパと同じ大きさの声で話してね」、「お店にあるものは見るだけにしてね」など、ほんの少し、言葉を変えるだけで伝わりやすくなります。

ほめ方・伝え方を練習しよう!

ほめ方・伝え方のポイントはいっぱいありますが、一番大事なのは実践できること!ここでは、ほめ上手・伝え上手になる近道、「練習」をしてみましょう。

ほめ練じゃんけん

  1. パートナーと向かい合ってじゃんけんをする。
  2. 勝った人は、2秒以内に相手を「○○してえらいね」とほめる。

人格ではなく、具体的な行動をほめることがポイントです。

「座っていてえらいね」「相手の目を見ていてえらいね」など

効果 繰り返し練習することで、ほめることに慣れます。良い行動を相手にフィードバックできるようになります。

「してね」クイズ

パートナーと順番に問題を出す。

  1. 出題者は回答者に「~しないで」と伝える。
  2. 回答者は「~してね」という表現に言い直す。

例えば

「座らないで」 → 「立ってね」
「走らないで」 → 「歩いてね」
「大きい声を出さないで」 → 「私と同じ大きさの声で話してね」など

効果 子どもに具体的に伝わりやすく、良い行動に結びつきます。

年齢別ポイント

0~1歳
かわいいからほめやすい。たくさんほめて、ほめることに慣れておきましょう。
2歳
少し話が通じるようになり、ついつい年齢以上のことを求めがち。できたところをほめていきましょう。
3歳
会話が成立し始め、約束やごめんなさいができるように。しかし、まだまだ人間歴3年。ほめていきましょう。

協力:茅ヶ崎市 こども育成相談課

おやっと思ったら…

なかには、こうしたほめ方、伝え方がうまく伝わらない子どももいます。でも、子どものできないことを頭ごなしに叱らないようにします。

乳幼児の成長発達は個人差が大きいのです。氾濫するネット情報に悩んで、子育てに自信をなくさないようにしてください。

子どもの発達や病気など、気になることがあったら、保育所・幼稚園、地域の子育て支援センターや保健師さん(地域の相談窓口)など、実際に子どもたちと関わって、一緒に考えてくれる方に相談してみましょう。

関東学院大学 教育学部 教授 土谷 みち子 (つちや みちこ)

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