子どもの良い行動をほめることで、良い行動は増え、間接的に問題行動を減らしていくことになります。では、どんなことをほめればいいのでしょう。それは、子どもの「普通の行動」です。例えば、おもちゃを片付ける時に、おもちゃを投げて箱に入れることは問題行動なので、注意します。ではその反対に、ほめる対象となる行動はどのようなものでしょうか。その一つは、「おもちゃを投げずに箱に置いて入れること」です。この、見過ごしがちな、子どもの「普通の行動」を見つけて、すぐにほめられるかどうかがポイントです。
子どもを叱る際に、よく使われる言葉、「~しないで(走らないで、大きい声を出さないで、触らないで)」。実は「~しないで」は、何をすればよいかという情報が入っていないため、子どもには伝わりにくいのです。では、どうすればよいか。「~してね」と伝えましょう。何をすればよいかがストレートに伝わります。「歩いてね」、「パパと同じ大きさの声で話してね」、「お店にあるものは見るだけにしてね」など、ほんの少し、言葉を変えるだけで伝わりやすくなります。
ほめ方・伝え方のポイントはいっぱいありますが、一番大事なのは実践できること!ここでは、ほめ上手・伝え上手になる近道、「練習」をしてみましょう。
人格ではなく、具体的な行動をほめることがポイントです。
「座っていてえらいね」「相手の目を見ていてえらいね」など
繰り返し練習することで、ほめることに慣れます。良い行動を相手にフィードバックできるようになります。
パートナーと順番に問題を出す。
「座らないで」 → 「立ってね」
「走らないで」 → 「歩いてね」
「大きい声を出さないで」 → 「私と同じ大きさの声で話してね」など
子どもに具体的に伝わりやすく、良い行動に結びつきます。
協力:茅ヶ崎市 こども育成相談課
なかには、こうしたほめ方、伝え方がうまく伝わらない子どももいます。でも、子どものできないことを頭ごなしに叱らないようにします。
乳幼児の成長発達は個人差が大きいのです。氾濫するネット情報に悩んで、子育てに自信をなくさないようにしてください。
子どもの発達や病気など、気になることがあったら、保育所・幼稚園、地域の子育て支援センターや保健師さん(地域の相談窓口)など、実際に子どもたちと関わって、一緒に考えてくれる方に相談してみましょう。
関東学院大学 教育学部 教授 土谷 みち子 (つちや みちこ)