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かながわパパノミカタフォーラム

平成30年2月12日、横浜市で「かながわパパノミカタフォーラム」が開催されました。参加者は大人、子どもを合わせて130名超。「イベントに興味を持って自ら応募した方は?」という問いにたくさんのパパが挙手し、主催者側も驚くほどでした。育児を楽しもうと考えている男性が確実に増えていることが伺えます。

第1部 基調講演 「パパを楽しもう!元祖男性保育士が語る、子育ての極意」

第1部 基調講演 動画

フォーラムは大阪教育大学 教育学部 准教授の小崎 恭弘(こざき やすひろ)さんによる基調講演から始まりました。3児の父であり兵庫県西宮市で初の男性保育士として勤務経験のある小崎さん。自身の子育てや保育士としての経験に加え、専門的観点から男性による“子育ての極意”について語っていきます。その軽快な語り口に参加者はどんどん引き込まれていきます。

子育て初心者のパパ達に向けて「子どもが0歳ならパパも0歳。会社なら新入社員でしょう?うまくできなくて当たり前。ハードルを下げましょう」と語りかけます。小崎さんは、うまくやろうとするのではなく、子どもの笑顔を見て自分も笑顔になり、楽しいと感じれば、それでいいと言います。そしてパパによる子育てのポイントを3つ教えてくれました。

まずは、赤ちゃんの“不快”を取り除くこと。赤ちゃんにとっての不快とは、基本的に眠い、おなかが空いた、気持ちが悪い、の3つ。この不快を取り除いてあげることが赤ちゃんと仲良くなるための一番の方法といいます。この時大切なのが、赤ちゃんに話しかけること。ミルクをあげる時、オムツを替える時、男性は黙ってやりがちですが、声かけをすることで赤ちゃんはパパを“不快を取り除いてくれる人”として認識してくれます。ママのように高い声でなくても、かわいい言い方ができなくても、赤ちゃんの気持ちを代弁して声かけしてあげれば大丈夫。「おいしいね」、「オムツがぬれていて気持ち悪かったね」とお話しながらやってみることをおすすめしてくれました。

2つ目は、安心、安定を与えてあげること。子どもが安心するのは、自分が思っているとおりに世界が繰り返されること。その意味では、いつもと同じ人、同じ場所、同じ時間として生活のリズムを整えてあげるのが大切だそう。子どものこの性質をいかして、“繰り返しの遊び”をしてあげるのも良いとのこと。この“繰り返しの遊び”を小崎さんが実演してみせると、会場の子ども達も大喜びでした。

3つ目は、遊ぶこと。子ども達は遊ぶことが大好きなので、一緒に遊ぶことで子どもと仲良くなれるそう。大人と違い、子どもにとっては遊びが活動のすべて。なので、遊びを通じて関わることがとても大事だといいます。3歳くらいから子どもは、何で?とよく聞いてくるようになりますが、最近のパパは、“真面目に”答え過ぎだそう。ここでは、大人のルールに合わせようとせず、子どもの世界観に一緒に飛び込んでいってほしいとのこと。これが一緒に遊ぶということで、ぜひこの遊びの感覚を大切にしてほしいと、小崎さんは言います。

そして最後にこんな言葉を紹介してくれました。『子どもは思ったようには育たないけど、心配したようにも育たない。』「親の、子どもに対する思いと心配の“ちょうどいいところ”で子どもは育つもの。これをママばかりに任せるのではなく、パパも一緒に子育てについて考えることで、子どもがより良く育ち、家族も楽しく育っていくと思います」との言葉で講演は終了し、参加者から大きな拍手が送られました。

第2部 パネルディスカッション「パパのミカタを増やそう!」

第2部 パネルディスカッション 動画

休憩を挟んでパネルディスカッションが始まりました。パネリストは、日丸 邦彦(ひまる くにひこ)さん(株式会社ダッドウェイ)、脇本 靖子(わきもと やすこ)さん(川崎市男女共同参画センターすくらむ21事務局長)、渡辺 ひとみ(わたなべ ひとみ)さん(NPO法人ちゅーりっぷ代表理事)、そして基調講演でも登壇した小崎 恭弘さんの4名。コーディネーターは、東 浩司(あづま こうじ)さん(NPO法人ファザーリング・ジャパン理事)。男性育児当事者、企業、行政、NPO、学識経験者といった多様な立場から、男性の育児参画について語りました。

「パパノミカタ」には“味方”と“見方”の2つの意味が込められていて、パパを応援する“味方”をどう増やしていくか、また、パパの育児について多様な“見方”をしていこうというのがパネルディスカッションのテーマ。どうやって育児仲間を増やしていくかについては、パパは目的がはっきりしていた方が集まりやすいので、具体的かつパパ自身が楽しめる企画を立てることがポイントになるとの意見が出されました。「ヒーローショーをやろう」、「パパ料理部を作ろう」、「保育園の謝恩会で出し物をしよう」などの声をきっかけにパパ達の活動がスタートした例が紹介されました。パパ達の活動を継続させるためには、やりたいことを、できる範囲で、ゆるくやっていくことも大切だそうです。

男性パネリストからは、「パパ友ができたことで、自分の世界や可能性が広がった」との声も。“パパ”と言っても立場は多様であり、それぞれ違っているけれど、“パパ”という共通点で話ができたり、活動ができることは素晴らしいという発言もありました。最後に、「子育ては楽しいのと同時に大変な事も多いけれど、パパ達がつながって、その大変さを吹き飛ばすくらい笑顔でいることが子どもにとっても、ママにとっても良いことだと思うので、笑えるパパになってください」と会場のパパ達にエールが送られました。


最後は県内のパパサークル「横浜ダディ」、「かなメンの会」、「川崎パパ塾」、「イキメン研究所」、「金パパボランティア」のメンバーによる、活動の紹介がありました。フォーラム終了後の交流タイムでは、パパサークルの活動に興味を持った会場のパパが、メンバーに声をかけている姿も見受けられ、このイベントが「パパノミカタ」をつくるよい機会になったようです。

父親育児参画フォーラム概要

かながわパパノミカタフォーラム

日時平成30年2月12日(月曜日・祝日) 13時30分から15時30分
場所崎陽軒本店 6階会議室(横浜市西区2-13-12)
対象これから父親・母親になる方、未就学児の父親・母親、男性の育児支援に取り組む団体・企業・個人
内容 第一部 基調講演「パパを楽しもう! 元祖男性保育士が語る、子育ての極意」
小崎 恭弘 氏(大阪教育大学 教育学部 准教授)
第二部 パネルディスカッション「パパのミカタを増やそう!」
パネリスト
小崎 恭弘 氏(大阪教育大学 教育学部 准教授)
日丸 邦彦 氏(株式会社ダッドウェイ)
脇本 靖子 氏(川崎市男女共同参画センター すくらむ21 事務局長)
渡辺 ひとみ 氏(NPO法人ちゅーりっぷ 代表理事)
コーディネーター
東 浩司 氏(NPO法人ファザーリング・ジャパン 理事/株式会社ソラーレ 代表取締役社長)
主催神奈川県
チラシかながわパパノミカタフォーラム チラシ [PDF 1.5MB]

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