パパも子育てトークしたい!
パパノミカタオンラインイベント開催報告
2021年10月31日(日)に、子育て中のパパがオンラインで集まるトークイベント「パパトーク」を行いました。当日は、8人のパネリストと参加者で、事前に集めたアンケートを基に話を進めました。話が盛り上がり、時間が経つのも忘れてしまうくらいの濃密な時間となりました!
さて、パパたちの本音は如何に…
事前アンケートでは、60~70%くらいのパパが家事・育児を積極的に行い、また家事・育児におけるパートナーとの配分でも、多くのパパがバランス良く分担出来ている結果でした。家事の内容では食事の準備や、子どもと遊ぶ、掃除、洗濯、お風呂、寝かしつけ、絵本の読み聞かせなどなど…と、パパたちが日々奮闘されている姿が目に浮かびます。
パネリストの中には、まとめて離乳食を作るという方や、さらには「魚・肉・野菜の栄養のバランスを考えて1週間分の献立の買い出しに出かけて、レシピを調べて作り置きします。」というお話には、一同驚愕。また、掃除のテクニックを教えてくれたパパもいました。どのパパも、いかに「時短と効率」を生み出すか努力しています。
コロナ禍は、パートナーとの関係性に様々な変化をもたらしているのが、アンケートでも分かりました。ポジティブに変化したという人は、在宅勤務で家にいる時間が長くなった分、家事分担を明確にしたり、コミュニケーションを取る時間が長くなった、という意見が多かったです。
逆にネガティブになったという回答には、お互い家にいる時間が長くなってイライラする、話が嚙み合わない部分が出てくる、価値観の相違がはっきり出てしまった、なんて切実な内容があり、パネリストも一同真剣な表情になりました。
また、気になる回答として、「自分と意見が違う時は賛同せず黙る」、「意見を求められた時のみ答える」というのは、普段の関係性が出てしまっているのかもしれません。コロナ禍でストレスがたまりやすいのはお互い様かもしれませんが、パートナーの愚痴も含めて話を良く聞くというのは、普段からの心がけとして大切なのかもしれません。
ママ目線からは、「在宅勤務が中心となったパパの中には、良かれと思って家事・育児を頑張り過ぎてしまう方もいて、ママにとってはプレッシャーにもなるし、息苦しさを感じているのでは。」という意見も出ました。「アンケートに答えてくれているパパって真面目なパパが多いと思う。」という分析もあり、「もしママがプレッシャーを感じているのならば、『ゆるく』なってもいいんじゃないかな。」というアドバイスが出ました。また、普段からパパ・ママ両方の目線で考えることの大切さを再認識しました。
「本来なら、子どもが生まれる前から、子どもに何を食べさせたいというところから教育の話まで価値観を共有出来ているのがベストかな。そのためにお酒を飲みながら夫婦会議をやっています。」という意見には感心の声が上がりました。
コロナ禍という今までに経験のない状況に直面しているだけに、どの家庭も試行錯誤している様子が目に浮かびます。
コロナ禍によってワークライフバランスが変わりましたか、という質問には、在宅勤務にシフトしたというパパが増え、その分家事、子育てに時間を割けるという回答がある一方で、家にいる分、パートナーとの関係性、子どもとの関係性で悩んでいるというパパも。
また、在宅勤務で常に仕事関係のメールの返信に追われ、仕事と家事のオンオフの切り替えや、余白時間を作ることが難しい、なんて意見も出ました。「そもそも家はくつろぐ場所だけど、部屋をオフィス化して在宅勤務で常にパソコンに向かって仕事していると、精神面でオンオフの切り替えが難しい側面もあるのではないか。」という分析もありました。
さらに参加者からの「勤務時間外のメールは見ない、返信しないスタイルを貫き、周囲から5時まで男というキャラが浸透しました。」というチャットにはパネリストからも素晴らしいという拍手が送られました。しかし、独身の方から見ると、育児を理由にした仕事の5時まで宣言は、誤解される場合もあるので、難しさもあるようです。
アンケートの回答や登壇したパネリストの中でも、期間の差こそあれ、育休を取得した、または取得中のパパは多いです。一方、むしろパパになるなら、今まで以上に家族を養うために働かなくちゃというプレッシャー(?)を受けたという方も。
育休中の家事・育児に対しては、「手伝う」スタンスから当事者になった故にパートナーから厳しい目で見られる、取得したことで新しい価値観や気づきの連続という意見が多く、これから育休を考えているパパには非常に勇気を貰える発言もありました。
ただ、育休を取得している期間は一時的には収入減になってしまいます。その一方で固定資産税、住民税などの税金からは逃れられません。その結果、残高が少なくなっていく預金通帳を見るのは、不安になってくるという切実な声も出てきました。
「『男性育休』という言葉を敢えて無くしたいです。女性が妊娠し、出産し、休業するのは、当たり前ですよね。イクメンとかイクボスってなんか流行語みたいになっていくと、広まるのは早いけど、廃れる可能性もあるんじゃないかなと思います。言葉だけが先行するのではなく、当然の制度として社会に浸透してほしいという思いがあります。」この意見にはパネリストも納得の表情が出てきました。
事前アンケートからは、夫婦関係、子育て育児関係について教えてほしいという回答が多かったです。
アンガーマネジメントについては、次のように多くの意見が出ました。「夫婦間は「べき」論に固執しないこと、これはモットーでもあるけど、「ま、いいか」の精神を大切にしています。」「怒りそうになったら、怒りの感情を紙やスマホのメモアプリに書いて、一旦クールダウンをしています。」「怒ると自己嫌悪に陥ってしまう。一晩明けたら何で怒ってしまったのだろうって。その時はパートナーにも子どもにも本気で謝ります。怒ったことは無かったことには出来ないけど、アフターフォローが大切ですね。」
夫婦で意見が分かれた時に相談できる人がいますかという質問には、次のような意見が出ました。「夫婦間の悩みなのに、他人に相談すると逆に火に油を注ぎかねないので、普段から夫婦間で解決できる関係性を持った上で相談相手を作ることが大切です。SNSで自分の意見がどうなのかを聞いてみたりすることはあります。」
感謝の気持ちの表し方には、次のような意見が出ました。「感謝の気持ちを伝えるには、心の中で思うだけでなく、ちゃんと口に出すことは大切!日々の積み重ねかなと。誕生日や記念日のサプライズも、やると喜ばれるし、子どもと一緒にやるとより楽しいです。」
教育の話として、中学受験にどこまで関わるかという質問には、「地域によって私立・公立の位置づけが異なり、良い教育=私立という前提が成り立たないので、そこを普段から擦り合わせすることが大事。また、つい自分の経験則で話をしがちだけど、教育を取り巻く環境は変わっているから注意です。」といった意見が出ました。
このセクションでは、まとめるのが難しいほど、様々な意見が出ました。それだけ夫婦関係、教育を含めた子育てに真摯に向き合っている姿勢が分かります。
最後は、「パパにとっての育児とは?」という話題で締めくくりました。
アンケートでは、「人間的な成長」、「かけがえのない時間の共有」、「地域社会へのパスポート」という回答に興味が集まりました。このパートはパパの哲学(?)が現れるためにリアルな集まりだと、熱く語り出すパパも多いとか。
子育ては、子どものためもあるけど、自分自身が成長出来る貴重な機会でもあります。家事分担やら、パートナーとのコミュニケーションで迷う部分もあるけど、結局は自分のため!というココロザシでやっていきましょうというまとめでパパトークは盛況のうちに終了しました。