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かながわ版父子手帳

子どもが成長したとき、胸を張って「俺が育てた」と言えるために

現役時代は仕事人間で子育ては妻に任せきりだったけれど、現在は孫育てに奮闘中、というおじいちゃまから、現役パパに向けたメッセージです。

けんじさんイメージ

けんじさん

川崎市在住 70歳

4人のお孫さんのおじいちゃま
現在は生まれたばかりの4人目のお孫さんのお世話をする毎日

愛知県出身、現役時代は銀行員としてご活躍

仕事だけをしていた自分の子育て時代

  保育園の送り迎えをするけんじさん

私たち夫婦の子育て期は昭和50年代でした。
私も妻も愛知県出身ですが、私は転勤を伴う仕事だったこともあり、妻は結婚退職して専業主婦になりました。そして、当時の男性としてよくあったように、私は家事育児は妻に任せきりで、夜遅くまで仕事に邁進しておりました。

現役時代、私は銀行員でした。
当時、職場の同僚とはプライベートの話はしませんでしたね。みんな企業戦士で夜遅くまで働いていました。 今思うと、奥さんが教員の家庭など共働きの夫婦も中にはあったのですが、家庭をどのようにまわしているかなんて関心がなく、そのような話をした記憶もありません。今ほど子育て支援の無い時代に、どうしていたのでしょうね。
それくらい、当時の男性にとって家庭のことは妻任せなのが当たり前だったと思います。

もちろん週末には家族で出かけたり、お風呂に入れたりして、子どもと関わることはありました。 それでも子どもが病気になった時の世話などした記憶はありません。子どもが熱を出したときに朝の通勤途中に小児科で番号札を取るくらいの協力をしたことがありましたが、看病はしたことがないと思います。

我が家は妻が専業主婦だったので、「まぁ家にいるんだしできるだろう」と妻にすべて任せていましたので、子育てがこんなに大変なものとは分かっていませんでした。

転機となったソフリエ講座

※「ソフリエ」とは、「祖父」と「ソムリエ」をかけ合わせた造語。積極的に孫を育てる祖父のこと。

  赤ちゃんを抱っこするけんじさん

昨年9月末で定年退職後の仕事も辞めました。時間ができたので、川崎市の男女共同参画センターで開催された「ソフリエ講座」に参加することにしました。
そのころ、次女が第1子(当時3歳)の育児中でしたが、ちょうど東京から近所に越してくることになり、行き来が頻繁になってきたところでした。その孫は風呂嫌いで手を焼いていたので、娘の育児を手伝ってやろうと思った次第です。

ソフリエ講座の内容は、沐浴など生後まもない子ども向けの実習で、3歳の孫には直接該当しませんでした。しかし今年9月に次女の第2子が生まれ、今は講座で習った内容を活かして赤ちゃんの世話をしています。

次女の第2子出産後は、平日は近所の娘宅に夫婦で毎日出かけて手伝いをしています。娘から頼ってきたのではなく、私たちから申し出た形です。妻は孫の世話と料理などをし、私は上の孫の保育園の送り迎え、皿洗いや風呂掃除のほか雑用を担当しています。
そこで自分の現役時代には気づかなかった子育ての大変さを実感しています。

理想を言えば、仕事をしている夫が19時か20時には帰宅して、子どもをお風呂に入れたり、食事の片づけをしたりすべきでしょう。 しかし、現状の22時や23時帰宅ではとてもそれは望めないと思っています。せめて土日は娘夫婦で面倒を見るように、サポートする日は平日と決めています。
つい何か娘に助言したくなることもありますが、妻からは「子育てについては娘夫婦の方針で。口出ししてはダメ!」と言われています。

現役パパには子育て世代のパイオニアになってほしい

  洗濯物を干すけんじさん

現在子育て中の男性には、「まずやってみる」ということを言いたいです。
子育ての大変さは、そばで見ているだけでは分かりません。お風呂に入れる、オムツを替える、ミルクをあげる、など自分の手を動かしてやってみてください。言葉の通じない赤ちゃんが泣いているのをあやすのがどれだけ大変か、実感してみてください。

また、子どもの世話以外にも、家庭の中の仕事はたくさんあります。
たとえば料理が苦手だとしても、掃除や洗濯や洗い物など、やれることは必ずあります。今は家電も便利になって、洗濯なんてスイッチを一つ押すだけでできます。できることの実践から始めてください。「簡単だから妻に任せていても問題ない」ではダメなのです。

男性も家事育児をすれば、女性が仕事を続けられるようになる、ということは重要だと思っています。最近働く女性が増えたのは、共働きでないと生活できないという時代背景もありましょうが、女性にとって、子育てだけが生きがいではなく、働くことの楽しさややりがいも当然あるのではないでしょうか。
前述の通り、自分の育児期には妻は専業主婦でした。当時は知りませんでしたが、後年になって、妻も本当は仕事を続けたかったと知りました。私の希望で専業主婦になったことも、長い間知らなかったのです。
私には娘が2人おりますが、娘たちには仕事を続けてほしいと思っています。働いていれば、家庭以外でも戻るところがある。それはとても大切なことです。そして女性が仕事を続けるには、男性と家事育児を分担することが絶対に必要です。

とはいえ、周囲が残業をしている中で、自分だけ仕事を切り上げて帰宅するのはなかなか難しいところもあるでしょう。家庭を優先したら評価が下がるのではないか、出世に響くのではないか、と心配なのも当然だと思います。
でも付き合い残業なんて意味のないことはせず、ちゃんと帰って家庭のことをしてほしい。
そして、社会としても、会社にいる時間で評価をするのではなく、成果を見て評価していくようにするべきだと思います。
会社に長時間いることが評価につながる時代は終わりにするべきです。

子育てに関わってこそ、成長した子どもに向かって、胸を張って「俺が育てた」と言えるものです。仕事だけをしていたのでは、金銭面で家族を支えていたとしても、「みんなお母さんに任せっぱなしだったでしょ」と言われかねません。
仕事だけでなく育児も精一杯やれば、子どもの成長過程で父親なりのアドバイスができることもあると思います。

今の子育て世代の男性たちが、育休を取るなど子育てを積極的に行うパイオニアとして増加してくれば、その世代が上司になる頃にはもっと子育てへの理解が広がるのではないでしょうか。ぜひ子育てしやすい社会の実現に向けて頑張ってほしいと思っています。

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