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パパ育児先進国 スウェーデンの子育て事情

スウェーデンは福祉が充実している北欧の国々の中でも子育てがしやすい国として有名です。
では、実際にスウェーデンで子育てすると、どのような毎日になるのでしょうか。

東京からスウェーデンに家族で移住した久山さんに、スウェーデンの子育て事情をレポートしていただきました。

久山さんイメージ

久山 葉子(くやま ようこ)さん

2010年に家族(夫・長女)とともにスウェーデンに移住。
現地の高校で日本語を教え、スウェーデン文学の翻訳にも携わる。
地元のアマチュアオーケストラに所属し、文学イベントの実行委員も務める。

「仕事も趣味も思う存分楽しめるのは、いつも家を守ってくれている夫のおかげです」

もっと家族と過ごす時間を増やすために、スウェーデンに転職・移住を決意

  久山さんのご主人と娘さんの写真

東京で子育てをしながら共働きをしていたわたしたちですが、「もっと家族と過ごす時間を増やしたい」という夫の強い希望で、共働きに優しいスウェーデンに移住を決意しました。
移住するために夫がスウェーデンの会社へ転職。就労ビザも下りて、ついにスウェーデンの地を踏んだのは娘が2歳になる直前でした。

移住した先はスウェーデンの地方都市。
小さな街は何もかもが近く、通勤もたったの10分です。この街では男性も育児休業を取るのが当たり前で、平日の昼間にパパたちがベビーカーを押している姿を見かけるのは珍しくありません。

残業がない!パパが料理するのも家族で夕食を食べるのも当たり前

  料理をするスウェーデンのパパの写真 Susanne Walström/imagebank.sweden.se

移住してまず感じたのは、子育てがぐっと楽になったこと。これは男性でも残業がなく5時に帰れるため。
子どもに合わせて朝型生活の人が多いので、7時に出社して4時に帰る人も少なくありません。夫が勤めるIT企業も社員は男性ばかりですが、4時を過ぎるとだんだんオフィス内に人けがなくなります。

なぜ残業がないのか。
そこには労働組合が強いことや、日本のように「会社に尽くす」というカルチャーが存在しないなどの要素が挙げられますが、なによりも働く側が「それが当たり前」と思っていることが大きいです。

では残業が必要なほどの仕事がきた場合はどうするのか?
時間内に終わらないほどの仕事があるなら、それは会社側が責任をもって対処すべき問題です。例えば、もっと人を雇うとか。
そこで誰かが「わたしが残業すれば済むのだから」と考えて残業してしまうと、会社は人を雇わず、その後も常に人手不足の状態が続きます。同僚たちからは残業を感謝されるどころか、「あんたのせいで」と裏切者のような存在になってしまいます。

そういうわけで、毎日5時過ぎにはパパもママも家に帰ってきます。毎日家族揃って夕食を食べるのはもちろん、食事の後も子どもと過ごしたり家事をしたりする時間は十分にあります。
保育園のパパママに聞いてみると、夕食を作るのはパパとママ半々くらい。ほとんどパパが作るというご家庭もありました。スウェーデンでは、料理をしたりパンを焼いたりするのが好きな男性が多い気がします。

子どもが病気になったらパパも看病。休暇の取得は柔軟に

  スウェーデンのパパ達がベビーカーを押している写真   Magnus Liam Karlsson/imagebank.sweden.se

スウェーデンには育児休業制度以外に、親が仕事に復帰してからも子どもの看病のために休める制度があります。子どもが12歳になるまで1年につき120日まで利用でき、1日当たり給料の80パーセント弱が支払われます。
我が家もよく子どもが保育園で病気をもらってきて、年に15日ほど看病のための休みを取得していました。パパとママのどちらが休むことが多いかというと、「その日急に休んでも大丈夫なほう」が休むのが一般的です。

夫の会社の男性社員は、ほぼ全員子どもがいます。風邪やノロウィルスが流行る冬になると、みんな次々と子どもの看病のために休みます
どこの職場でもそうです。お互い様なのだから、誰も気にしません。

今の日本で子育てを優先しているパパは、日本の未来を切り開いていくヒーロー

こうやって書いてみると、スウェーデンでの子育てはしっかりした社会制度に守られているだけでなく、「子ども優先が当たり前」という考えが人々の中に浸透しているのを感じます。
いくら制度が整っていても、現実には周囲の目が気になって利用しづらいなら、子育ては楽になりません。

日本の制度もより共働きに優しい制度に変わっていくのを願っていますが、何よりも、今肩身の狭い思いをしながら残業せずに早く帰ったり、育児休業を取ったり、子どもが病気になったら休んだりしているパパたちこそが、これからの日本の未来を切り開いていくヒーローなのだと思います。
そんな皆さんは世界最高レベルの福祉国家のパパたちと同じ感覚を持ち、実行に移しているのです!
これからも胸を張って、堂々と家族との生活を大切にしていってください。


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